• 2019.06.19
  • 豆知識

入れ歯の種類

歯は一回失ってしまうと二度と生えてくることはありません。歯がないことによって噛み合わせの悪化や隣接している歯の傾斜など様々な不具合がでてきます。さらに会話や食事など今までは当たり前のように楽しめていたことが出来なくなってしまうこともあります。しかし、歯が抜けてしまった部分に適切な入れ歯を使用することによって本来の機能を回復させ、お口の健康を保つことができます。

 

【使われることが多い入れ歯】

部分入れ歯

部分入れ歯は天然の歯が一本以上残っている際に用いる装置です。会話や食事の際に外れてしまわないようにクラスプといわれるバネを残っている両隣の歯にかけて固定します。どの入れ歯を用いるにしろ、残っている歯が健康であるかが重要になってきます。

 

総入れ歯

総入れ歯は天然の歯が一本も残っていない際に用いる装置です。部分入れ歯のようなワイヤーはなくそのまま歯茎と粘膜に吸着させます。そのため、入れ歯を安定させるためにはフィット感を持たせるような高度な技術が必要となります。特に高齢の女性は下顎の骨が薄くなることによって歯茎がやせてしまいがちなので特に難しいです。

 

レジンプラスチック床

義歯床と呼ばれる入れ歯の土台となる部分が全てプラスチックでできています。保険で治療する場合の多くにこちらが使用されます。保険が適用されるため1床で約1万円程と比較的安価です。自然な歯茎に近いピンク色を再現できますが、強度を持たせるために厚みを持たせて作る必要があり、食事の際に温かさや冷たさが感じにくくなってしまうことがデメリットとして挙げられます。

 

金属床

義歯床が金属でできています。保険適用外となるため費用は1床で40万程とかなり高価です。しかし、金属なのでプラスチック床と比較して3分の1程の薄さで製造可能です。さらに熱を伝えやすいので食事の温度が伝わりやすく美味しく楽しむことができます。

 

 

【その他の入れ歯】

近年開発が進んだことによって豊富な種類の中から素材や色、予算や審美性など患者様のニーズに合わせた入れ歯を選ぶことが可能となりました。それぞれにメリットとデメリットがございますので、その一部を紹介します。

 

ノンクラスプデンチャー

クラスプを使用しないで樹脂の弾力で支える入れ歯です。歯肉の色に近い樹脂のため入れ歯を付けていると気づかれにくいです。弾力性の高い樹脂を使用することによって薄くても耐久性の高く、装着の際の違和感が少ないです。しかし、残っている歯が少ない場合は使用できないため適用できる症例が限定されてしまいます。

 

テレスコープ

はめ込み式の人工歯根を埋め込み、入れ歯を固定する方法です。人工歯根に義歯をはめ込むことによって従来の入れ歯よりも外れにくく、しっかり食べ物をかむことが出来ます。また、固定の際にバネを使用しないので残っている歯に負担をかけず、審美性にも優れます。しかし、人工歯根を固定する際に健康な歯を削る必要があるため、むし歯になりやすくなってしまうリスクがあります。

 

マグネットデンチャー

残っている歯根に磁性の金属を埋め込み、小型の強力な磁石を取り付けた入れ歯をピタリ吸着させる方法です。この方法のメリットとしてお手入れや着脱の手軽さが挙げられます。磁石自体が小型で滑らかな材質なので食べかすが付きにくく掃除がしやすいです。また、磁石で引き合わせるので入れ歯を近づければ本来の位置のピタッとはまります。しかし、磁気アレルギーや土台になる歯が少ない人には適用できません。

 

コンフォート

人体と親和性の高いシリコンを歯茎や口蓋に当たる部分に用いる方法です。歯茎にかかる圧力が軽減されるので硬いものを食べるときなどに痛みを心配する必要がなくなります。さらに柔らかい特殊なシリコンを使用しているので装着のフィット感も高いです。デメリットはお手入れの際に通常の入れ歯に加えてシリコンも掃除する必要がある点が挙げられます。